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紀行
南米大陸を悠々流れるアマゾン河流域を旅して見たい。動物園でしか見たことのない「大蛇(アナコンダ)」や「クロコダイル」に直接お目にかかりたいからだ。そこで心配なことがある、近くで見るということは、かなりの危険が伴う。
彼等が腹いっぱいで「ルンルン」気分なら良いが、お腹がペコペコな場合は、前後の見境もなく、善人だが食べてもまずいタイプの私でも、あるいは、悪人で栄養満点な木下君でも、平等に食べられてしまう。そう言った危険が伴うからこそ、行ってみたいと思うのだ。さらには、昔、映画で見た「アマゾネス」にも会ってみたい。ヒョウ柄の水着で、筋肉モリモリの美女軍団である。こう言っちゃあ何だが、この私、タイプとは言い難いが、そのような女性もまた、好きなのである。
私見では有るが、木下君なら涙を滝のように流して喜び、思わず襲いかかるに違いない、しかし、日ごろ運動不足のため、「アマゾネス」には逆に圧倒されてしまう。趣味が最低な木下君にとっては、却って其のほうが燃える。そのような危険なら、是が非でも巡り合いたいものだ。
それはともかく、アマゾン流域に旅する時は、大きめの牛や豚を比較的多めに連れて行くことが肝心だろう。何故なら、道中トーゼンの如く「アナコンダ」や「クロコダイル」等が一行を襲うのだ。その時に牛や豚を彼等に供給して、食している間、一目散に走って逃げる。少なくとも我々は、牛や豚より、ダッシュだけは速くなければならない。
こうして艱難辛苦を乗り越え、首尾よく、「アマゾネス」に犯された一行、無事帰国の途に就くのである。だが余りにも身勝手な行動は、国から改善命令が出るに違いなく、このときは、私が嫌々ながらすべての責任をとることになる。名誉なことではない。
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