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木下君と私
とりあえず、洒落を一つ。 北岳に登った人に一言 「よい天気でしたね、登頂された感想は?」
「はァ、キタダケ」
まァ、それはともかく、北岳は、赤石山脈の北に位置し、山梨県西部日峰山の一峰で富士山の次に高く、標高 3194メートル である。 この山は高山植物の宝庫で、山の名を冠にした植物も多い 、例をあげれば「キタダケナズナ」「キタダケソウ」「キタダケキンポウゲ」などがある。見どころの多い山なのに、あまり有名にならない、不思議なことだ。
さて、話は変わるが、つい先だって、会社帰りの居酒屋でビール片手に、木下君が無造作に「この頃呆けていませんか?」と聞く。
何と失礼な問いかけであろうか、確かに、この私、恥ずかしながら65歳で決して若いとは言えない。トーゼンのことながら、彼の大好きなエッチにしても、もはや、割り箸か何かの介添えが必要なタイプになっている。残念なことだが仕方無い。
だって、木下君のエッチ好きは周知の事実だから、土台比較すること自体間違っている。ところで、木下君と私は20歳の年齢差がある。モチロン、私が年上である。だがしかし、あと30年もすれば、彼が、75歳で私が95歳立派な後期高齢者である。こうなれば,きっと上下関係は分からなくなる。その上、私の家系はなぜか長寿系だし、健康を維持するために厭うことなく、体を動かし、ストレスは木下君たちに思い切りぶつけて霧散する。そうして、日々楽しく生きて行くのである。これでは嫌でも長生きしてしまうに違いない。
一説には、150歳まで生き抜くとの噂はあるが、あくまでも噂にすぎない。それにひきかえ、木下君、健康を気遣うことなく、運動もせず、酒、タバコ、あるいは、エッチに明け暮れている。これにギャンブルが加われば、完全な遊び人である。(普通遊び人はこのような日々を送っている)さらに、不純物の混入した食物、あるいは、例の餃子なんかも、平気で食するから、加齢を促進する。おそらく、しわくちゃジジイになるのだろう。
だが、それでも、雑草のようにそれらを跳ねのけ、「憎まれっ子世にはばかる」の例えどうり、溌剌と生きることも考えられる。だだし、過剰なエッチがたたり呆けは早いはずだ。木下君妻とは上手くいってないというから、面倒は見てやろう。これが浮世の義理と言うものだ。ただ、居酒屋ではこの種の話は止そう、酒がまずくなる。
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