2008年7月22日

メット

運動するにしても(スキー、自転車、野球ETC)、仕事をするにしても、近頃はヘルメットが必要となる。自分の身を守る為だから、致し方が無い。相当呆けている現在、少しでも頭をぶつければ、お終いだ。だから鬱陶しくても、かぶることになる。鬱陶しいという字もいかにもうっとうしいが、それはさておき、木下君などは、「似合いませんねェ、何でかなァ、多分顔が良くない所為かなァ」と言う。失礼なやつだ。

とりあえず、運動や遊びの時のヘルメットは、何の邪魔にもならないが、仕事になると、どうしてもいやになる。それというのも、メットをかぶる仕事は、厳しいことが多く、力を発揮しなければ済まなくなる。だから近頃は、木下君たちにまかせている。その時は手伝は無い 、心の中では彼等を手伝いたいと思うのだが、折角、彼等に与えた試練を無駄にしたくないからだ。

この恐ろしく困難な仕事を乗り越えてこそ、光輝く未来が待っているのである。こんな素晴らしい事が言えるのも、困難な仕事を率先して求め、こなしてきた私だからである。

ところで、ヘルメットを長時間かぶっていると、外したとき内側に取り付けてある、樹脂製のアミどうりの髪形になっている。ヘルメット内が蒸れるからだろう。それで済めば何の問題もないのだが、実は樹脂製の網に我白髪が2~3本絡みついて抜けてくる。

もう歳なんだから、抜けちゃってもいいよね。なんて言っているのも、多分まだ髪が残っているからなのだろう。これが全部抜けてしまはないと、無毛の人の心持は分からないのだろう。それにしても、些細な出来事に過ぎず、自然に時間は音もなく過ぎて行く。私みたいに妙に心の狭い人間は、他人の眼ばかりを気にして、人本来の姿を見失っているに違いない。

今更ながら「バカだな~」と感慨にふけっているところである。「木下く~ん、飲みに行こうか?」「いやですよ、だって説教するんでしょ?」「しないよ」「こないだだってそう言っていたけど、したじゃないですか」「じゃあいいよ、月田さんと行くから」「すいません行きます」「最初から気持ちよくそう言えばいいのに」「すいません」

木下君の「すいません」には心がこもっていない。



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