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花
散歩の途中で、花の絵をかいたり、写真を撮ったりする。花が好きだからだ。そんな風に木下君に行ったら、
「僕の場合、女性をとても好きですが、それを、絵にしたり写真にしたりはしません」
「どーして?」
「本当に愛しているからです」
「エッ、君から愛しているなんて言葉きくとはおもはなかったよ」
「君を知る人たちは、心のないセックスをすると言って非難しているけれど」
「そーんなことはありません、多分僕が、そういった場所に出入りするからでしょう」
「うん、それはみんなが知っている」
「でも、皆さんは、表面上のことしか知らないから、そんな事を言うのです」
「どーして?」
「いつも、高橋さんにさそはれるから、いやいやつきあっているんです」
「それにしては、いつも嬉しそうに行くじゃない」
「いやだなー本当の僕を見てください、お願いしますよー」
「高橋君、そうなのかい?」
「違いますよ、木下君がムチャクチャ誘うんですよ。嫌だと言えば、もう大変、死んでやるとか言うんです」
「なんだやっぱりそうなんだ」
「とうとうばれちゃいましたね、チャンチャン!」
とまあ、木下君は生まれたときからのスケベであることが、明らかになった。それにしても、花がことのほか好きでたまらない。そんな事から、「もしかしたら、私は花の精かも知れない」と厳かに言ったら、木下君が「そんな汚い、花の精はいませんよ」というと、皆もいっせいにうなずいた。
どうにも失礼な人たちである。
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